• 2023年6月1日

ゼネコンとはどういうものを言うのか?信和建設が解説

最終更新日 2023年4月27日 by rradiatordir

建設業界

↗️ゼネコンの定義について

ゼネコンというのはゼネラル・コントラクターという英語を略したという説が有力になっていますが、その詳細については定かではありません。

コントラクターとは建設工事を行う際の請負をする者という意味であり、ゼネラルというのが総合的という意味になるので、総合請負者というのが直訳したものになります。

ただしこのゼネラル・コントラクターは日本と欧米ではその意味合いが異なっていて、日本では大規模な建設工事を請け負って工事をする企業について呼称されているため、多くの人は建設工事をする大会社と考えているでしょう。

しかし欧米ではどんな建設工事でも請け負って行う小規模な業者となっていて、日本のように特定の専門工事に特化している業者までゼネラル・コントラクターとしているのは英語の解釈からすれば間違っているという声もあります。信和建設より

そのために正式な略語にはなっておらず、和製英語と考えた方が妥当でしょう。

ゼネコンという名前は古くからあったわけではなく、第二次世界大戦後に起こった日本の高度経済成長期に公共事業の拡充とベビーブームによる圧倒的な住宅数の不足から建設需要が急激に上昇した頃、それまで小規模で運営していた建設会社がその規模を徐々に大きくしていって、その中には特定の分野だけではなくいろいろな形態の建設工事を行って総合的に業務を行っていくようになったのがその原点になっています。

建設工事には建物を建てるものもあれば橋やトンネルなどを建造する場合もあり、そのやり方や方式が異なっているので専門的にその分野しか行わない会社もありますが、建設物というのは一度作れば同じものをまた建設するということがなく、しかも公共事業での建設が圧倒的なので継続的に受注できるという保証もないため、専門分野に特化していてはいつ仕事が枯渇するのかわからないので、総合的にいろいろな分野を行って全体的に収益をあげようという考え方になっています。

↗️種類の違う工事であっても一つの会社や企業体で賄ってもらえる

このゼネコンのメリットは種類の違う工事であっても一つの会社や企業体で賄ってもらえるというものであり、発注する側からすると工事の度に業者を選定する必要が無くなります。

例えば橋を作る場合にそこに繋がる道路も整備したり、河川があって護岸工事もしなければいけないような状況でその種類に応じて業者を選んでいると、その指揮命令系統が複雑になって円滑な工事の進捗というのが困難になるでしょう。

しかし公共事業というのは事前に予算を組んで施行するものであり、その予算についても執行できる期間が限られているので期間内に工事が終了しなければ重大な問題が発生してしまいます。

しかしここに総合的に工事を一つの事業所に請け負ってもらえれば、指揮命令がスムーズに行われて発注する側もそこにだけ注文や指示を出せばいいので負担が軽減されるというメリットが起きるのです。

日本で行われる大規模な建設工事は圧倒的に公共事業であり、民間が中心で行われる工事というのはほとんどありません。

ただこれは世界的に見ても言えることであり、巨大な建設工事になると途方もないほどの巨額な費用が必要になりますし、民間ではその工事で利益を出さなければいけませんが橋やトンネルを作ったり、護岸工事や河川改修ではそんな利益が望めるはずもないので、どうしてもそのような工事は公共事業で行うしかないのです。

そのため国や自治体の方針で費用が削減されると直接的に影響が出てしまい、以前は多くのゼネコンが存在していましたが体力と技術力があってそんな悪い状況でも生き残っていけなければ簡単に淘汰されるという厳しい一面ももっています。

↗️日本のゼネコンというのは世界的にも優れた技術を持っている

しかし日本のゼネコンというのは世界的にも優れた技術を持っていると定評があり、国内では頭打ちになっている公共事業も世界に目を向けるとまだまだ足りていない地域が多いため、外国に出て行ってその国で工事をするということが増加しています。

そこで海外の人々が目を見張るのは工事に対する真面目さとちょっとの誤差も許さない正確さであり、この細かなところが以後の耐久性などで大きな違いが生じてきます。

これは日本でも建設ラッシュで携わっている人や会社が圧倒的に少ない頃には軽視されていた時があり、それが以後の耐震強度や建造物そのものの強度が少なくて使用禁止になったりするという結果に繋がってしまいました。

そこから建築基準法が大幅に改正されて世界でも類を見ないほどの厳しい基準になっていて、それを日ごろから行っているので海外の工事であってもそのやり方を踏襲しているので高い評価を得ているのです。

建設工事というのはそれから何十年もの長い間に渡って使われるものであり、簡単に作り直すことは困難です。
そのためにもその工事に携わっている関係者には高いモラルと気概が大切であり、それがないと直ぐに結果に結びつくという厳しい世界になっています。

人間が生きている限りは建設は行われていくので、この技術の高さの規範は守り続けていかなければいけません。