
プロパンガスとは?都市ガスとの比較と節約のコツ
最終更新日 2023年4月27日 by rradiatordir
プロパンガスとは「液化石油ガス」のことで、正しくは「liquefied petroleum gas」、略語でLPガスとも呼ばれます。
プロパンやブタンといった天然ガスを圧縮し、常温で液化できる状態にしたガス燃料で、よく知られているとことではタクシーの燃料があります。
目次
都市ガスとプロパンガスの普及割合
都市部の家庭用ガスとしては普及率が50パーセントを超える都市ガスが主流となっていますが、残りの40パーセント近くを担っているのはプロパンガスであり、その他にも給湯器や業務用ガス機器の燃料、火力発電の燃料など多方面で使用されています。
原料のほとんどを輸入に頼っているのが現状で、輸入されたガスは街中でよく見る丸いガスタンクに貯蔵されてからタンクローリーなどで各充填所へ輸送され、ガスボンベに充填されて各家庭や事業所に供給されるシステムです。
一方の都市ガスはメタンを主成分とする天然ガスが主な原料です。
こちらも原料のほとんどは海外から輸入されており、ガスタンクから地中に通っているガス管を利用して契約家庭に供給されています。
都市ガスよりもプロパンの方が料金が高い理由
ところで、一般的に都市ガスよりもプロパンの方が料金が高いと言われていますが、その理由がこの供給方法にあることはご存知でしょうか。
都市ガスは輸入した天然ガスを地下の配管によって送り込むだけで安定した供給が可能ですが、プロパンは輸入してから消費者に届けるまでに数多くのガス事業者の手が必要です。
それぞれの課程で人件費が発生する上に、ボンベに充填する作業費や定期的な交換作業など、実際にガスを供給するまでにかかった費用を上乗せしているためどうしても価格は高くなってしまいます。
更に料金設定も事業者が自由に設定することが可能なため、割高になる傾向にあります。
しかし、都市ガスに必要なガス管を設置するためには莫大な初期費用が必要です。
そのため人口がある程度密集している首都圏のような契約者が多い地域しか導入費用を回収することができません。
その点、プロパンは簡単な設備があればどこでも供給できることが特徴なので、人口が密集していない地方ではまだまだ主要な熱源として活躍しています。
プロパンガスが都市ガスよりも優れている点
このように料金が高いことがプロパンガスのウイークポイントですが、都市ガスよりも優れている点も数多くあります。
発熱量が高い
そのひとつが発熱量で、主成分であるプロパン・ブタンは熱量が大変高いことが特徴です。
1立方メートル当たりの熱量は24000キロカロリーもありますが、都市ガスは同じ1立方メートル当たりでも半分以下の11000キロカロリーしかありません。
これは、双方のガスを使って同じ加熱をした場合、都市ガスはプロパンの2倍以上の量が必要になるということで、言い換えれば半分の火力しかないとも言えます。
そのため都市ガスが整備されている首都圏であっても、金属を溶接するような工場や高い火力が必要な火葬施設、もっと私たちに身近なところでは中華料理店や鉄板焼き店など、強い火力が必要な飲食店では今でもプロパンがよく使われています。
ガス漏れを察知しやすい
また、プロパンガスには本来色も臭いもないことをご存知でしょうか。
不快な臭いがあるため意外に思う方が大半だと思いますが、わざわざ臭いが付けられている理由は事故を防ぐ意味があるのです。
マイナス42度で液化して体積が250分の1まで小さくなるプロパンに対して、都市ガスはマイナス162度で液化して、体積が600分の1まで小さくなるという性質があります。
これは都市ガスよりもプロパンの方が重いということで、万が一ガスが漏れた場合に都市ガスは部屋や建物の上部に拡散されやすく、プロパンは室内の低い位置に溜まりやすくなります。
そのため臭いが付いているプロパンは都市ガスよりもガス漏れを察知しやすく、爆発事故などの発生件数も少ないことが特徴となっています。
ガス料金を節約するコツ
提供する事業者を変更する
次に節約するコツですが、まず提供する事業者を変更することが挙げられます。
前述のとおりプロパンガスは提供する事業者が自由に料金を設定できる仕組みなので、今よりも安い事業者に変更することで節約に繋がります。
自力で探し出すのは困難ですが、インターネット上には料金比較サイトなども数多くありますので、検索をして目星を付けた事業所に直接料金を問い合わせてみると良いでしょう。
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お風呂の使い方を見直す
使い方を工夫して節約する場合は、お風呂の使い方を見直すことがポイントです。
家庭において最もプロパンガス使用量の多いのがお風呂で、その割合は全使用料の75パーセントにも及びます。
したがって、給湯器の稼働を少しでも少なくするためには浴槽にこまめにフタをすることが大切です。
浴槽にフタをしないと熱はどんどん逃げてしまう上に、フタをしていても1時間に約1度温度が下がってしまいます。
そして、家族が続けて入浴することもガスを節約するポイントです。
また、キッチンにおいても大きい鍋で料理すると大きな火力が必要になります。
まとめ
更に大きな鍋は容量が大きい分だけ長時間火を使うことになるので、ガスの使用量も自然と増えてしまいます。
作る量に応じて鍋を使い分けることも節約のコツと言えるでしょう。