• 2023年6月1日

アトックス監修!原子力発電所を使い電力を生み出すメリットとデメリット

最終更新日 2023年4月27日 by rradiatordir

原子力発電所を利用して電力を生み出すメリットは何かというと色々あります。
まずコストが安いという点です。
原子力により、少量の燃料で大量の電力を生み出す事が出来ます。
その為燃料の運搬や貯蔵面でも優れていますし、発電量当たりのコストが火力や水力、風力等と比べても安く済みます。

 

環境汚染が少ない原子力発電所

加えて一度燃料を補充すれば、およそ1年間は交換する必要がないというのも大きな魅力です。
また環境汚染が少ないというのもメリットです。
火力発電だと大量の二酸化炭素を排出する為、地球温暖化の原因にもなり問題となっていますし、実際海外では火力発電をやめる国も出てきています。

しかし原子力であればその心配はありませんし、さらに二酸化炭素以外にも、窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害物質を排出しないというのもメリットとして挙げられます。
しかしこれはあくまで事故が起きなかった場合の事です。
仮に事故が起きてしまうと、大気中に大量の放射能を放出する事にもなりかねませんし、土壌や海も広く汚染される恐れがあるので注意は必要だとアトックスも警鐘を鳴らしています。

参考:アトックス

 

燃料の供給先が安定している

他にも燃料の供給先が安定しているというのもメリットの1つとして挙げられます。
原子力発電では燃料としてウランが使用されます。
石油だと政情が不安定な中東に大きく依存している為、価格の変動も大きいですが、ウランだとカナダやオーストラリア等政情が安定している国が多い為、価格が安定しており流通ルートも確立されているので電力の安定供給にもつながり安心です。

それから技術力をアピールする事が出来るというのもメリットです。
原子力発電所を作って、運営していくには非常に複雑で高度な技術力を必要とします。
実際自国だけで作れてそれを管理運営している国は数少ないのが実情です。
つまり自国で全て出来るという事は、高い技術力を持っているという事の証明にもつながり、他国に対して大きくアピールする事が出来ます。

その結果、他国へ輸出を行う事が可能になるというのも大きな魅力です。
しかも輸出するのは機材だけではなく、きちんと運営し管理していく技術も必要な為、スタッフを派遣して現地の人に教える事も出来ます。

 

大きな経済効果を得る事が出来る

あと大きな経済効果を得る事が出来るというのもメリットです。
原子力発電所を迎える場所では、沢山の雇用が生まれます。
さらに国から交付金も出るので、地域の収入も上がり活性化につながるというのも魅力です。

このように沢山のメリットがある一方、デメリットもいくつかあります。
まず高い危険性をはらんでいるという点です。
原子力発電所の最大のデメリットは、何といっても危険性です。
万が一事故が起きてしまった場合、他の発電所とは比べ物にならないぐらいの甚大な被害が出てしまいます。

その為管理運営に関しては、かなり慎重に行っていく必要があります。
例えば事故で外部に放射性物質が放出されると、周辺の土壌や海が汚染されてしまい人が住めなくなってしまいます。
しかも人間自体も被爆してしまうリスクもあるので非常に危険です。

 

事故の修復が難しく長い時間がかかる

また事故の修復が難しく、長い時間がかかるというのもデメリットです。
高レベルの放射線が放出されている間は、当然建物に近づく事すら出来ません。
その為修復するには年単位、場合によっては数十年単位の長い時間を必要とします。

他にも津波の被害を受けやすいというのもデメリットです。
原子力発電所では、冷却する為に大量の水が必要なので、海の近くに建てて、海水を利用している所が多いです。
その為地震による津波が来た時に、その被害を受けやすい為、津波対策が必須となります。

それからコストが高いというのもデメリットとして挙げられます。
たしかに火力や水力等と比べるとコストは安く済むのですが、これはあくまで平常時の時だけです。

 

兵器に転用出来る

万が一事故が起きてしまった場合、賠償金等莫大なお金が必要となります。
さらに使用済み核燃料の管理や、放射性廃棄物の処分等にもお金がかかりますし、廃炉にする場合もさらに費用が必要となるので、これらを考えると決して安くはありません。

それにいつまでもウランが安定的に供給されるとも限りません。
将来化石燃料のように枯渇する可能性もあります。
加えて兵器に転用出来るというのもデメリットです。

原子力発電では、核分裂を利用して莫大な電力を作り出します。
例えばウランから核燃料を作る時に出る劣化ウランは、武器として使用する事も出来る為注意が必要です。
そして外部からテロ攻撃された場合、甚大な被害が出る恐れもあるので警備が大変というのもデメリットとして挙げられます。

あと日本国内で技術者が少なくなってきているというのも懸念されている問題です。
福島の事故以来、原子力発電の技術者数は減少傾向にある為、次世代の若い技術者が育っていないというのもデメリットです。

 

まとめ

このように原子力発電所を使って電力を生み出す事は、沢山のメリットがある反面デメリットもある為、これらをきちんと見極めつつ将来的に使い続けていくのか、それとも少しずつ少なくしてゼロにしていくのかを決めていく必要があります。